日本の音楽市場は、昔と今が混ざり合った、とても面白い状態になっています。どんな風に変わってきたのか、簡単に見ていきましょう。
日本の音楽市場ってどんなところ?
日本の音楽市場は、世界で2番目に大きな市場だと言われています。昔はCDがすごく売れていましたが、インターネットが広がるにつれて一時的に市場が小さくなりました。でも、最近はまた元気を取り戻しています。

特に、日本には他にはない特別な特徴があります。それは、昔からある「物理的なもの(CDやレコード)」の人気が強いことと、新しく出てきた「デジタルなもの(ストリーミング配信)」が両方とも大きく成長していることです。

昔からある音楽の楽しみ方:CDとレコード
- CDの今
- 1990年代には、CDがものすごく売れていました。TRFや安室奈美恵、宇多田ヒカルさんのアルバムなどがミリオンセラーをたくさん出していました。
- インターネットが出てきてからは、CDの売上は減っていきましたが、最近はまた底堅く売れています。
- なぜ日本ではCDがまだ強いのでしょうか? それは、「ファン文化」がとても関係しています。
- 好きなアーティストを応援するために、同じCDを何枚も買う人がいます。CDにおまけとして「握手券」や「イベント参加券」などがついていることがあり、それがきっかけで何枚も買われることがあるんです。
- CDをコレクションとして集めるのが好きな人もたくさんいます。
- また、おじいちゃんやおばあちゃんの世代の人たちは、デジタルなものよりもCDなどの形があるものを好む傾向があることも、CDの売上を支えています。
- このように、CDはただ音楽を聴くためのものだけでなく、アーティストを応援したり、コレクションしたりする「モノとしての価値」があるから、日本では今も人気があるのです。
- レコードの復活
- レコードは昔、CDが出てきたことでほとんど売れなくなってしまいました 。
- でも、最近になってまた人気が出てきています!2022年には43億円だった売上が、2024年には79億円にもなりました。
- なぜ復活したのでしょうか?
- レコードを置いているお店が増えたり、アニメやゲームの音楽がレコードになって、若い人たちの間で人気になっているからです。
- レコードの独特な音の良さや、ジャケットのデザインのカッコよさなど、デジタルでは味わえない魅力が見直されています。
- これは、デジタルが便利な時代だからこそ、形のあるものや特別な体験を求める人が増えている、ということの表れかもしれません。
新しい音楽の楽しみ方:デジタル配信
- ダウンロードは減少中
- 少し前までは、インターネットで音楽を「ダウンロード」して買うのが流行っていました。
- しかし、最近はダウンロードの売上は減り続けています。
- ストリーミングが急成長!
- 今、最も勢いがあるのが「ストリーミング」です。これは、SpotifyやApple Musicなどのサービスで、好きな時に好きなだけ音楽が聴き放題になるサービスのことです。
- ストリーミングの売上は、たった5年で2倍以上にもなりました。2024年には、1,132億円以上もの売上があり、デジタル音楽市場のほとんど(約9割)を占めています。
- 特に、若い世代を中心にストリーミングを利用する人が増えています。
- これは、音楽を「買う(所有する)」のではなく、「いつでもどこでも聴ける(アクセスする)」という形に、みんなの音楽の楽しみ方が変わってきたことを示しています。
ライブの力
- コンサートやライブイベントも、音楽市場を支える大切な要素です。
- コロナ禍で一時的にほとんどできなくなってしまいましたが、その後はものすごい勢いで回復し、2019年よりも大きくなっています。
- ライブは、アーティストとファンが直接会える場所であり、ファンの応援する気持ちをさらに盛り上げてくれます。これは、CDの売上にも良い影響を与えていると考えられています。
まとめ:日本独自のハイブリッドな音楽市場
このように、日本の音楽市場は、昔ながらのCDやレコードが根強い人気を保ちながら、新しいストリーミング配信もどんどん伸びているという、世界的に見ても珍しい「ハイブリッド型(混じり合った形)」の市場になっています。
形のあるものを大切にする文化や、アーティストへの強い応援の気持ちがあることで、日本では音楽がさまざまな形で楽しまれ、市場全体が回復・成長を続けているのです。