Open Orienteering Mapper(OOM)を使って新規テレイン地図を作成する

オリエンテーリング
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はじめに:注意点

対象:Windowsのパソコンを持っている人

この記事で扱わないこと:基盤地図情報数値標高モデルのインポート

この記事で扱うこと:基盤地図情報基本項目をopen orienteering mapperに直接インポート

※mac(mac book pro, 2020, core i5, 8GB)では.xmlファイルの直接インポートができませんでした。macで新規テレイン地図を作成する場合は、一度Windowsのパソコンで.xmlファイルを直接インポートして.omap(OpenOrienteeringMapのプロジェクトファイル)をmacに転送するという手もあります。

OpenOrienteeringMapperをインストール

公式サイト(https://www.openorienteering.org/) に移動し、インストール。

青いダウンロードボタンを押すとダウンロードが始まる。ダウンロード後にセットアップのウィンドウが出てくるので、「次へ」を押していき、最後に「完了」を押せばインストール完了。

OpenOrienteeringMapperは以下OOMと略す。

基盤地図情報をダウンロード

国土地理院の基盤地図情報ダウンロードサービス(https://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php)に移動し、作りたい地図の範囲に該当する「基盤地図情報 基本項目」をダウンロード。zipを解凍し、.xmlファイルが沢山あることを確認する。

.xmlファイルが沢山!

※基盤地図情報ダウンロードの初回は無料アカウントの作成が必要。ダウンロード時にアカウントへのログインが求められる。

OOMで新規地図を作成

OOMの「アクティビティ」の「新しい地図を作成」を選択。

地図の新規作成を行うには、「アクティビティ」から「新しい地図を作成」を選択する。

縮尺と記号セットを選択する。縮尺は1:15000が基本、スプリントなら1:4000である。(それぞれISOM2017-2、ISSprOM2019に縮尺に関する記述がある。)

縮尺と記号セットを選択する。

以下のような画面になったら、OK。

地図を描く準備ができました!

.xmlファイルをインポート

「ファイル」の「インポート」から、インポートしたい.xmlファイルを選択する。

※.xmlファイルのファイル名には、データの略称が含まれており、以下の命名規則を参照することで、どのファイルにどのデータが入っているのか理解できる。出典:国土地理院 基盤地図情報 基本項目の命名規則(https://www.gsi.go.jp/common/000093391.pdf)

ファイル名に書いてある略称はこういう意味らしい。必要そうなxmlファイルをインポートする。

ジオレファレンシングの設定

インポートの初回は、ジオレファレンシングの入力が求められる。

日本国内の地図は世界測地系(JGD2011)なので (出典:https://maps.gsi.go.jp/help/howtouse.html)、EPSGコードを使うことができる。EPSGコードはこのサイト(https://lemulus.me/column/epsg-list-gis)などで知ることができる。例えば、その地図が広島の地図なら「6671」である。座標参照系で「EPSGコード」を選択し、「EPSGコード」を入力する。参照点の項目はいじらない。

磁気偏角は国土地理院のサイト(https://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geomag/menu_04/index.html)から調べることができる。磁気偏角を入力して、OKを選択する。

記号を割り当て

.xmlを選択して「OK」を選択すると、「新しい記号を割り当て」ウィンドウが出現する。

「新しい記号を割り当て」というウィンドウが出現し、「置き換え」欄で適切な記号を選択する。例えば、建物(…BldA….xml)をインポートする場合は、「Building」を選択する、というような感じ。

「置き換え」欄や「パターン」欄に何も表示されていない場合は、うまくインポートできない。この場合の対処法は不明。.xmlが大きすぎる場合、PCの性能によっては.xmlを分割(エディタで開いて良い感じに分割)すればうまく読み込んでくれる場合もある。

インポートを何度か行うと、こんな感じになる。

お絵描きタイム

.xmlのインポートが終われば、あとはお絵描きタイム。バケツ(閉領域の塗りつぶし)を使って一気に塗ったり、「記号」の「色ウィンドウ」をうまく使おう。「色ウィンドウ」はレイヤー構造になっているので色の順序を変えることで、どの色を一番上に塗るかなど、色の優先度を設定できる。

参考サイト

以下のサイトで、全体の流れや、色がレイヤー構造になっている(OOMもそうかも知れない!と気がついて実際そうなってた。)ことを学びました。

以下のサイトで、地図の作り方全般の幅広い知識を得ました。また、facebookコミュニティの存在を知りました。

http://startflag.rulez.jp/index.php/地図作製

facebookには、「オリエンテーリング地図制作情報交換」というコミュニティがあり、OOMを使うと基盤地図情報のデータを直接インポートできることを知りました。

こんな感じで、芋づる式に色々探しながらOOMで新規地図の作成に挑戦しました。間違っている点などもあると思いますので、そのような場合はフィードバックをいただけると嬉しいです。(twitter @_ynavi)