Twitter新歓の極意

マーケティング
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近年、Twitterを用いた新歓が主流になりつつあります。毎年春になると、新入生が「#春から〇〇大」のようなツイートを行い、在校生による部活やサークルの勧誘活動が活発になります。しかし、最近はどの部活・サークルもTwitterでの新歓を行っており、Twitterでただやみくもに新歓をするだけでは他の部活・サークルと差がつきません。ここでは、Twitter新歓の極意と題して、ひとつ上のレベルでの新歓方法について考えます。

大原則:新歓はマーケティング

新歓は、どうやったら新入生に入部・入サーしてもらえるか、ということを考えることから始まります。マーケティングは、販売会社が商品を売る(=成約する)ために、様々な戦略を立てて売り上げを増やしていく全般のことです。新歓でも、部員が新入生を獲得するために、様々な戦略を立てて新入生を獲得します。マーケティングの考え方は新歓にも適用できます。

マーケティングの原則①:ゴールを決める

まず、ゴール(=目標)を決めましょう。新歓が全て終わった後に、どうなっていたいかを明確にすることで、具体的な戦略が見えてきます。5人くらい入部させるなど、ぼんやりとしたものでも十分です。

マーケティングの原則②:戦略を立てる

ファンネルについて理解し、具体的な数値目標を設定する

ゴールが決まったら、戦略をたてましょう。マーケティングの世界では、ファンネルという言葉がよく使われます。ファンネルとは、漏斗のことです。Twitterで例えると、ツイートインプレッション(=ツイートが見られた回数)が12000に対して、50人が興味を持ってくれて、その50人のうち10人が新歓イベントに参加してくれて、10人のうち5人が入部してくれる。みたいなことです。これはあくまでも例えですが、12000回→50人→10人→5人という流れが分かっているなら、新入生を5人獲得するためにはツイートインプレッションが12000必要だということになります。そして新歓の期間が1か月なら、12000÷30で、1日平均400インプレッションを獲得すればよいということになります。このように具体的な数値目標を作り、その目標を達成するための戦略を立てましょう。

計画的にツイートする

Twitterにはツイートの日時を指定することができる機能があります。これは公式のツールで、しかも無料です。これを活用しない手はありません。時間のある時にツイートをまとめて作成し、各ツイートの日時を予め指定しておけば、その時間になれば勝手にツイートしてくれます。やる気があるときに一気にツイートを作って送信日時を指定してしまえばいいのです。めっちゃ楽。

マーケティングの原則③:分析する

Twitterアナリティクスを導入する

先ほど述べたツイートインプレッションですが、Twitterアナリティクスに登録することで見ることができるようになります。登録は無料です。Twitterアナリティクスに登録すると、ツイートインプレッションだけでなく、リンクや画像をクリックした回数や、プロフィールをクリックした回数が分かります。このツールを使って、効果的な分析を行いましょう。

ツイートは写真付きだとエンゲージメントがあがる

Twitterでのエンゲージメントとは、ツイートを見た全回数のうち、何らかのアクション(例えば、画像を大きく表示する、プロフィールを見るといったアクション)を起こした回数の比率です。エンゲージメントが高いほど、アクションを起こす比率が高いという意味です。写真付きのツイートは写真無しのツイートに比べてエンゲージメントが高いため、写真付きの投稿をすることで、ユーザーの関心を高めることができます。

ツイートの時間帯はいつがベスト?

新入生がツイートをよく見る時間帯はいつだと思いますか?新入生はテスト勉強から解放され、だらだらした生活を始めている場合が多いでしょう。であれば遅寝遅起きの可能性が高いため、早朝よりは夕方~夜にかけてツイートするのが最適かもしれません。この辺りは、Twitterアナリティクスなどを活用して最新の分析をしてみることをお勧めします。

マーケティングの原則④:PDCAを回す

PDCAとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のサイクルのことです。世の中は基本的に計画通りにいくことはありません。一度計画を立てて終わりではなく、その時々で計画や手法を適宜見直し、改善させていくことが大切です。Twitterは本やテレビと違い、計画から実行までが早いので、すばやく評価、改善を行うことでPDCAのサイクルを高速に回すことができます。より効果的な新歓を模索しつつ、爆速で最適化していきましょう。

マーケティングの原則⑤:人の集まるところに人は集まる

基本的にこの世界は、誰も来ないところには誰も来ませんが、たくさんの人が来るところにはさらに人が集まってきます。部活もサークルもそういうものです。マイナスな情報はなるべくツイートしないほうが良いでしょう。例えば会社の求人によくある「アットホームな職場」は、「残業が多い」みたいな環境だったりします。でもウソはついていません。うまく言い換えることで、「なんとなく良さそう」な感じを出すことで、人を集めているのです。この例は極端ですが、表現を言い換えることで、楽しそうな感じ、すごそうな感じを出すのも、ひとつの戦略です。

大原則:新歓は心理学

単純接触効果

人は、特定の人・モノに接触した時間が長いと、それを好きになる傾向があります。

やる気があるときに一気にツイートしてしまう、みたいなことってありませんか?それだとツイートの間隔にむらができてしまい、単純接触効果が半減します。できれば毎日ツイートして継続的に見てもらうことで、単純接触効果が最大化されます。ですが、毎日ツイートするのもつらいですよね。さあどうしましょう。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんね。そうです。Twitterにはツイートの日時を指定することができる機能があるのです。これを使いましょう。

好意の返報性

Twitterに関わらず新歓全体について言えることですが、相手の喜ぶことをどんどんやっていきましょう。心理学で「好意の返報性」というものがあります。相手に喜ばれることを提供することで、相手も私たちの期待に応えたいと思ってくれる可能性が上がります。

いいねをしよう

Twitterでは、何をすると相手に喜ばれるでしょうか?個人的には、「いいねをする」だと思うので、僕の場合はツイートに「いいね」をしていきます。Twitterのユーザーは基本的にユーザーを増やしたいと思っているので、「フォローする」も有効かもしれません。ただ、僕の場合は、よく知らない部活や興味ないサークルからフォローされるのは正直言って気持ちわるかったので、ここは人による部分もあると思います。

価値のある情報を提供しよう

どんなことをツイートすれば、注目されることができるでしょうか?相手にとって価値のある情報とは、相手の知りたい情報のことです。価値ある情報をツイートできれば、おのずと見てもらえるようになるはずです。新入生の気持ちになって考えてみましょう。

新入生は部活・サークルの雰囲気を知りたい

新入生は、どこかに所属したい、何か新しいことを始めたいと思っています。しかし一方で、その団体の雰囲気を知りたいとも思っています。Twitterでのメンバー紹介や動画配信は、雰囲気を知る有効なコンテンツとなるでしょう。

新入生は、大学生活について知りたい

大学入学を機に、一人暮らしを始める人も多くいます。彼らに向けて、ためになる情報発信はきっと喜ばれます。

新入生は、友達を作りたい

大学は、広く浅いつながりが増える場でもあります。とある研究によると、ゆるいつながりが当人に仕事を運んできてくれる場合が多いことも分かっています。新入生が友達を作る場を提供することができれば、それは価値になるでしょう。

新入生は、大学周辺のお店などの情報を知りたい

新入生は、大学生の日常を知りたいと思っています。外食でよく行くお店はどこなのか。買い物はどこがオススメなのか、こうした情報を発信すると、フォロワーも増えるでしょう。

Twitter新歓に正解はない

さて、ここまで筆者流のTwitter新歓について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

世界はものすごいスピードで変化していますが、Twitter新歓も例外ではないと思います。ここで書いた内容は、2,3年のうちに更新されていくでしょう。新歓は、試行錯誤しながら作っていくものです。この記事が、少しでも新歓の参考になれば幸いです。